バルセロナでグラフィックデザインを学んでいるYさん(20代、女性)からのお手紙
こんにちは。スペインへ来てはや一年。今日はバルセロナから皆さんへお便りします。
振り返ると、いろいろな偶然や出会いがあって、今私はここにいるように思います。大学時代スペイン語学科に在籍していたことや、モンセ・マリさんとの出会いなどが、今まで遠くから漠然と眺めていたデザインの世界への第一歩を現実のものとしてくれました。
こうして私はグラフィック・デザインを勉強するため、バルセロナへ向かいました。
バルセロナは比較的ヨーロッパの他の国々から近いということ、また港町ということで多種多様の人間が集まってきます。日本と比べると決して衛生的な街とは言えませんが、何かが生まれる街という思いが、私をここに引き止めている大きな理由の一つです。
留学当初は言葉の壁が私の前に大きく立ちはだかりましたが、学校の先生、クラスメートなど多くの人たちに手を差し伸べてもらったような気がします。
例えば、クラスメートのアナは少しでも早くバルセロナに慣れるようにと、私を年末年始、実家に招待してくれたり、ある先生は私が少しでも理解できるようにと工夫をしながら授業を進めてくれました。
またいろいろな不安を精神的にサポートしてくれたのは、スペインとCCKを結ぶ一本の電話。延々話し続ける私を
根気強く聞き、励ましていただいたこと、本当に感謝しております。
私は今、好きなことを好きな環境で学び、充実した生活を送っています。もちろん言葉の壁、人種的な考え方の相違から生まれる誤解、初めて他人と暮らす難しさなどを否定することはできませんが、好きなことをしているという実感から生まれるエネルギーで、これらすべての困難に立ち向かっています。
この留学を通じて、私は専門分野以外に人間として多くのことを学びつつあります。心の支えとなってくれた家族をはじめ、友人、バルセロナで出会った人々、そして私の背中をポンと押して下さったCCKの方々、これらの人々への大切な思いを抱き、より確実なものを身につけて、皆さんと再会したいと思っています。
最後になりましたが、私から皆さんへのメッセージです。急ぐ必要も焦る必要もありません。でも自分の気持ちに素直に次の第一歩を踏み出して下さい。