Sant Jordi 2023 世界本の日記念
第18回 絵本翻訳コンテスト
"Cues de Somnis"


Sant Jordi 2023
Concurs de Traducció
"Cues de Somnis"


San Jordi 2023
Concurso de Traducción
"Colas de Sueños"



多数のご応募ありがとうございました。
受賞者や最優秀作品はこちらをご覧ください。




 


サン・ジョルディの日を記念して開催している絵本翻訳コンテスト。第18回を迎える今回の課題絵本は、2022年のPremi Libreterを受賞した「Cues de somni(スペイン語タイトル:Colas de sueños)」です。Rita SineiroのテキストにLaia Domènechがイラストを添え、Akiara booksから出版されている本書では、難民の現実が語られており、優しくもあり、同時に胸を引き裂かれるような作品でもあります。 この絵本を通じて、大人たちは問題について考え、子どもたちは、このような現実があることを認識し、国籍や言語に関わらず、辛い状況下にある子どもたちがどのように暮らしているのかを理解することができるでしょう。

  僕たちが連れてこられたキャンプは、まるでテントの大きな街みたい。何もかもが遠くにあって、どこにでも人が大勢いて、何をもらうにも長い列に並ばなきゃいけない。パパは知らないけれど、僕、本当はね、本当は、家に帰るための列だったらいいなと思ってるんだ。  


難民キャンプに閉じ込められた子どもの目を通して語られる難民の危機。溺れてトルコの海岸で見つかった小さなアランから着想を得たお話です。

 

https://akiarabooks.com/llibre/cues-de-somnis/ (カタルーニャ語)

https://akiarabooks.com/es/libro/colas-de-suenos/ (スペイン語)

 


言語:カタルーニャ語もしくはスペイン語から日本語に翻訳

応募〆切:930

審査結果発表:1130

参加費:4,800円(課題絵本1冊を含む)

*絵本の購入だけご希望の方には3,000円で販売します。


お問い合わせ、申込みは
exosaka@osb.att.ne.jpまでご連絡ください。

皆様のご応募、お待ちしています!

 





Enguany, per al 18è concurs de traducció que convoquem amb motiu de Sant Jordi 2023, us voldríem proposar "Cues de somnis" guanyadora del Premi Llibreter 2022. Obra de Rita Sineiro amb il·lustracions de Laia Domènech (Editorial: Akiara books), és un llibre dolç i punyent alhora perquè parla d'una realitat actual, la dels refugiats. Es un llibre que ens qüestiona als grans i fa que els petits prenguin consciència d'aquesta realitat i de com la viuen els nens i nenes que la pateixen sigui quina sigui llur llengua i nacionalitat.


El camp on ens han dut és com una gran ciutat de tendes. Tot és molt lluny sempre hi ha molta gent a tot arreu i per a qualsevol cosa s'ha de fer una cua molt llarga. El pare no ho sap, però amb el que jo somio de debò, és amb una cua que ens torni a casa.
 


Un conte sobre la crisi dels refugiats a través dels ulls d'un nen tancat en un camp d'acollida. Inspirat en el petit Alan que va aparèixer ofegat en una platja de Turquia.
 


https://akiarabooks.com/llibre/cues-de-somnis/  

Podeu presentar la vostra candidatura fins al dia 30 de setembre


Els resultats del concurs es publicaran el dia 30 de novembre


Participació: 4.800 ¥ (llibre inclòs)

Si no voleu participar en el concurs però desitgeu comprar aquest magnífic llibre, el preu és de 3.000¥  

Esperem la vostra candidatura!

Per a més informació no dubteu en contactar-nos: exosaka@osb.att.ne.jp





Este año, para 18° concurso de traducción que convocamos con motivo de Sant Jordi 2023, quisiéramos proponer "Colas de sueños" ganador del Premi Llibreter 2022. Esta obra de Rita Sineiro con ilustraciones de Laia Domènech (Editorial: Akiara books), es un libro dulce y desgarrador a la vez porque habla de una realidad actual, la de los refugiados. Es un libro que nos cuestiona a los mayores y hace que los pequeños tomen conciencia de esta realidad y de cómo la viven los niños y niñas que la sufren, sea cual sea su lengua y nacionalidad.

 

El campamento al que nos han traído es como una gran ciudad de tiendas de campaña. Todo está lejos, siempre hay mucha gente en todas partes y para cualquier cosa hay que esperar en una cola muy larga. Papá no lo sabe, pero con lo que yo sueño de verdad, de verdad, es con una cola que nos lleve de vuelta a casa.

 

Un cuento sobre la crisis de los refugiados a través de los ojos de un niño encerrado en un campo de acogida. Inspirado en el pequeño Alan, que apareció ahogado en una playa de Turquía. 

https://akiarabooks.com/es/libro/colas-de-suenos/


 

Se puede presentar la candidatura hasta el día 30 de septiembre

Los resultados del concurso se publicarán el día 30 de noviembre

Participación: 4.800 ¥ (libro incluido)

 

Aunque no participe en el concurso, si desea adquirir este magnifico libro, el precio es de 3.000¥

¡Quedamos a la espera de vuestra candidatura!

 

Para más información, no dudéis en contactarnos: exosaka@osb.att.ne.jp




 







関西カタルーニャセンター主催

18回絵本翻訳コンテスト CUES DE SOMNIS 審査結果発表

Ens plau comunicar-vos que les guanyadores del Divuitè Concurs de Traducció de Llibres Il•lustrats organitzat pel Centre Català de Kansai d’Osaka, enguany amb l’obra “CUES DE SOMNIS” de l’editorial AkiaraBooks són les següents:




最優秀賞

Primer Premi

小野 明子さん(長野県) Sra. Akiko Ono (Nagano)


小野さんの作品はこちら
 



2

Segon Premi

中尾 しょうこさん(愛知県) Sra. Shoko Nakao



 

奨励賞きらりと光る部分に対して

Menció especial per certs paràgrafs genials

浅井 由羽さん(神奈川県) Sra. Yu Asai



 

奨励賞優れたタイトルの翻訳に対して

Menció especial per la traducció més encertada del títol

梨木 亜紀さん(大阪府)       Sra. Aki Nashiki (Osaka)

 





 

二次審査に進まれたのは次の20組の皆様です(アルファベット順)

Els candidats que després de passar la primera eliminatòria han arribat a la final són els següents (per ordre alfabètic)


  • 新井 万紀子さん            Sra. Makiko Arai
  • 浅井 由羽さん                Sra. Yu Asai
  • 深民 麻衣佳さん            Sra. Maika Fukatami
  • 平山 幸乃さん                Sra. Yukino Hirayama
  • 本多 桃代さん                Sra. Momoyo Honda
  • 石井 律子さん                Sra. Ritsuko Ishii
  • 昌美さん        Sra. Masami Kado
  • 記代美さん                Sra. Kiyomi Kaji
  • 片山 真衣子さん            Sra. Maiko Katayama
  • 中尾 しょうこさん        Sra. Shoko Nakao
  • 梨木 亜紀さん                Sra. Aki Nashiki
  • 西林 尚美さん                Sra. Naomi Nishibayashi
  • 沼井 花音さん                Sra. Kanon Numai
  • 大出 優子さん                Sra. Yuko Oide
  • 小野 明子さん                Sra. Akiko Ono
  • 嶋田 真美さん                Sra. Mami Shimada
  • 冨田 充子さん                Sra. Atsuko Tomita
  • 滝本 楓花さん、古賀 瑚都里さん、村松 良馬さん、Carla Tronuさん       
               Sra. Fuka Takimoto, Sra. Kotori Koga, Sr. Ryoma Muramatsu, Sra. Carla Tronu
  • 八木 環さん        Sra. Tamaki Yagi
  • 山中 佳子さん                Sra. Keiko Yamanaka



    おめでとうございます!
    Moltes felicitats!




18回絵本翻訳コンテスト一次審査 審査員
Membres del jurat de la primera etapa

関西カタルーニャセンター 翻訳部門チーム   Equip de traducció del CCK

 

18回絵本翻訳コンテスト最終審査 審査員(アルファベット順)
Membres del jurat de l’etapa final (per ordre alfabètic)

平井うらら氏 - Prof. Urara Hirai(大学講師、作家、翻訳家)
金関あさ氏  - Sra. Asa Kanaseki (スペイン大使館 経済商務部 書籍担当)
モンセ・マリ - Sra. Montse Marí(関西カタルーニャセンター 会長)

 




絵本翻訳コンテストは皆様の応募に支えられ、今年
18回目を迎えることができました。
これからも継続して開催していく所存ですので、今後ともお力添えの程、よろしくお願いいたします。








第18回絵本翻訳コンテスト

最優秀賞受賞作品

 

 

ゆめの れつに

 

リタ・シネイロ さく

ライア・ドメネク え

小野明子 やく

 

 

 

せんそうを はじめた えらい人たちは、

ますます おこって もう かんかん。

いいあらそっては、ミサイルや ばくだんを おとしてる。

 

あるよる、パパがいった。

「さあ、にもつを まとめよう。しゅっぱつだ!」

 

パパは、家にあるなかで いちばん大きなスーツケースをもってくると、

ぼくを 中にいれた。

「このスーツケースにはね、なくしたくない たいせつなもの ぜーんぶが

はいっているんだよ」パパは たびの とちゅう なんども いった。

 

************

 

 

たいようが あたまを じりじりと てりつけたり、

ふくに ゆきが つもることもあった。

でも、ぼくを はこぶのは ちっとも おもくないんだって。

スーツケースを べつの手に もちかえながら、パパがいった。

 

 

口の中が かわいたり、おなかが からっぽの日もあった。

でも、とちゅう はなすことが なくなったりはしなかった。

たびは……まだ つづくはずだったんだ。それなのに……

 

************

 

 

大きな 大きな 石のかべと

せいふくをきた人たちが、

岩よりも どっしりと 立ちはだかって、

ぼくらを 通せんぼした。

 

パパは、じぶんのせいだって いうんだ。

いそいでいたから、

家に 手紙を わすれてきたんだって。

なんでも そろってる すばらしい国には、

しょうたいの手紙がなくちゃ はいれない。

 

************

 

 

ぼくらは、くるりと むきをかえた。そうだ! ふなのりに なればいい!

 

パパは、ふしぎなちからのある オレンジ色のベストを ぼくに 買ってくれた。

でも、パパは ひつようないんだって。

きんにくがあるから じゅうぶんだって。

(きんにくって みえないんだっけ?)

 

ふねには、ほかにも たくさんの人がいて、きっと すっごく、

すっごく おもかった。だから海は、ぼくらを はこぶのが いやになって、

あれくるう あらしのなか、ふねを ひっくりかえしたんだ。

 

************

 

 

あぶなかった! ぼくらを すくってくれたのは、赤ちゃんたちの なき声。

まさに、サイレンだよ!

 

まもなくすると、スーパーヒーローたちで いっぱいの ふねが たすけにやってきた。

でも、りくにいる人たちの めいれいで、ぼくらは ながいあいだ どこにも いけず、ふねの上で すごすことになった。

 

 

おとこの人たちは、あたまをかかえて、

おんなの人たちは、かおを 手で おおった。

みんな とても こわがっていたんだ。

 

パパがいうには、ぼくらが くらせるように じゅんびをしているから

こんなに時間が かかってるんだって。

 

************

 

 

りくに あがると すぐに、パパのいうとおりだったって わかったよ!

っていうのはね、まだまだ もっともっと時間が ひつようだったってこと!

 

そして ぼくらは、テント村に つれてこられた。

テントが たくさんあって、大きな まちみたい。

なにもかもが とおくにあって、どこをみても いつも人が いっぱいいる。

なにをするにも、ながーい れつに ならんで またなくちゃならない。

 

************

 

 

シャワーを あびたあとでも、どろの ぬかるみを あるかなきゃ

ぼくらのテントに もどれない。

 

それから、はみがきするために、くらいなか れつに ならぶ。

ならびながら ゆめみるのは、せかいいち せいけつな国。

じめんに紙くずをすてた人は、ばっきんを はらうんだ。

 

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ごはんを たべるのにも すっごく ながーい れつに ならぶ。

まってるあいだに ゆめみるのは、ピザやパスタ、イタリアのアイスクリーム。

だってね、ここの ごはんは あんまり おいしくないんだよ。

 

だけど、かたくなったパンひときれでも じめんに おちたら、ひろう。

そして、れつの ひとごみのなかでも、おなかが すいていても、

「ありがとう」っていって、すみっこに おくんだ。そう、ここに すんでいる なかま――ねずみちゃんたち――も、ごはんが たべられるように。

 

************

 

 

ここでは、学校に かわりばんこでしか いかれない。

学校が あまり大きくないからなんだ。

教室に すわるばしょが ない日に

ゆめみるのは、フィンランドのくらし。

せかいいちの学校が あるんだって。

 

そこでは、まいあさ じぶんが べんきょうしたいことや、

しけんの日だって えらべるんだ。

でも、一番すごいのは、まいにち 学校にいけて、

いっしょうけんめい べんきょうできること。

 

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テント村には たくさんの子どもが くらしているけれど、

じゆうに あそべるばしょは あんまりない。

それはね、あちこちに きけんが かくれているから。

 

ぼくらに げんきをくれたのは、そうぞうする ちから。

まるで おもちゃ工場みたい! そして、ゆめみるのは デンマーク。

せかいいちの ほんものの おもちゃがあって、

せかいいち しあわせな子どもが すんでる。

 

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どこもかしこも れつだらけ。だから、ほしいときに まにあうわけないよね。

あさごはんを たべるのは、おひるの時間になっちゃうし、

びょうきだって、おいしゃさんに みてもらえるころには なおっちゃう。

 

でも まつのが 一番ながくて たいへんなのは、ちがう色のスタンプをもらうこと。

ぼくらのは まだ 赤で、青のスタンプが もらえるまで

先には すすめない。

 

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パパがいうには、どの国もみんな 

ぼくらに きてほしいから 時間が かかるんだって。

 

そうだよね。だって、ぼくも どの国を えらべばいいか わからないもん!

ぜんぶの国を えらべて、ぜんぶの国で くらせたらいいのにな……

せめて 家に かえれないあいだは。

 

 

よるになると、パパは いつも おしろや たからものが いっぱいある国の はなしをしてくれる。ぼくを つれていきたい国の はなし。

ぼくが ずっと ゆめを みることができるように……。

そうすれば、ゆめだけがもつ魔法で、まつことも ワクワクに かえてくれるんだって。

 

でも、パパは しらない。ぼくが ほんとの ほんとに ゆめみてるのは、

ぼくらを 家に かえしてくれる れつなんだ。

 

 





※掲載上の都合によりルビを省略しております。翻訳原文には、漢字にルビがふられています。

 

※本テキストは、関西カタルーニャセンター主催「第18回絵本翻訳コンテスト」において最優秀賞を受賞した翻訳作品です。個人的な閲覧目的以外での利用、転載、複製などはご遠慮いただきますようお願いいたします。

 

 













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