Sant Jordi 2021 世界本の日記念
第16回 絵本翻訳コンテスト

"PLOUS O FAS SOL?"

San Jordi 2021
Concurs de Traducció
"PLOUS O FAS SOL?"




多数のご応募ありがとうございました。
受賞者などの結果はこちらをご覧ください。








第16回絵本翻訳コンテスト
"PLOUS O FAS SOL?"
文:Mireia Vidal
絵:Anna Font


応募要項


『Plous o fas sol?』(文:Mireia Vidal 絵:Anna Font Akiara Books出版)は、Premi Crítica Serra d'Or 2020の児童文学部門の受賞作品です。

タイトルからもご想像いただけるとおり、この絵本は読者を楽しませてくれるだけでなく、内面を見つめるきっかけを与えてくれる1冊でもあります。考えることを通じて、気づきを与えてくれるお話でもあります。
天気は、私たちの気分に影響を与えます。それだけでなく、人の態度が、私たちの気分だけでなく人生の様々な経験を変えることもあります。

連続する小さなストーリーが、わかりやすく、なめらかに紡がれていきます。魅力的なイラストが、この絵本のメッセージを更にわかりやすく読者に伝えてくれます。

この絵本のストーリーは、周りの人々に迷惑や悪影響を与えないように気を配ることが大切とされる日本での暮らし方とも相通じるものがあると思います。



参加費:4,500円(課題絵本1冊を含む)
応募〆切: 2021年9月30日
受賞者発表: 2021年11月30日


絵本のみご希望の方には3,000円で販売致します。


皆様のご応募をお待ちしております。
お問い合わせは、 exosaka@osb.att.ne.jpまでご連絡ください。








Convocatòria del Setzè Concurs de Traducció: PLOUS O FAS SOL? de Mireia Vidal amb il•lustracions de Anna Font

L'àlbum il·lustrat Plous o fas sol?, d'Akiara Books, escrit per Mireia Vidal i il·lustrat per Anna Font, va ser guanyador del Premi Crítica Serra d'Or 2020 de Literatura Infantil i Juvenil.

Com s'endevina només pel títol, aquest llibre va més enllà de ser un instrument per fer gaudir el lector, és un llibre que convida a mirar endins. És un conte que instrueix mitjançant la reflexió. Si bé és cert que els fenòmens meteorològics influeixen en el nostre humor, també és cert que l'actitud personal pot transformar no tan sols el nostre humor sinó també qualsevol experiència de la vida.
La seqüència de petites històries d'aquest conte es trameten amb claredat i fluïdesa amb els suport dels encantadors dibuixos que fan que el missatge sigui encara més comprensible per al lector.

Aquest conte armonitza deliciosament amb la manera de viure japonesa on és important prendre consciència de la nostra manera de fer perquè no afecti negativament les persones que tenim a prop.

Participació:4.500 ¥ ( llibre il•lustrat inclòs)
Data límit per presentar l'obra traduïda:30 de setembre de 2021
Publicació dels resultats: 30 de novembre de 2021

Les persones que vulguin el llibre sense participar en el concurs, ens el poden demanar. El preu es de 3.000 ¥.

Esperem la vostra candidatura!
Per a més informació no dubteu en contactar-nos: exosaka@osb.att.ne.jp

 

 




 



16回絵本翻訳コンテスト"PLOUS O FAS SOL?” 審査結果発表

Ens plau comunicar-vos que les guanyadores del Setzè Concurs de Traducció del llibre

“PLOUS O FAS SOL?” corresponent a la convocatòria de 2021, son les següents:

 

 



最優秀賞

Primer Premi

 

松倉 真理さん(東京都)

Sra. Mari Matsukura (Tokyo)

松倉さんの作品はこちら




2

Segon Premi

 

冨田 充子さん(ノバスコシア、カナダ)

Sra. Atsuko Tomita (Nova Scotia, Canadà)




3

Tercer Premi

 

大出 優子さん(愛知県)

Sra. Yuko Oide (Aichi)

 



 

二次審査に進まれたのは次の 20 名の皆様です(アルファベット順)

Els candidats que després de passar la primera eliminatòria han arribat a la final són els següents (per ordre alfabètic)

 

新井 万紀子さん            Sra. Makiko Arai

後藤 史子さん                Sra. Fumiko Goto

姫野 幸子さん                Sra. Yukiko Himeno

本多 桃代さん                Sra. Momoyo Honda

石井 律子さん                Sra. Ritsuko Ishii

記代美さん                Sra. Kiyomi Kaji

松倉 真理さん                Sra. Mari Matsukura

村松 美香さん                Sra. Mika Muramatsu

村中 沙織さん                Sra. Saori Muranaka

中窪 晴さん      Sra. Haru Nakakubo

中尾 しょうこさん         Sra. Shoko Nakao

西林 尚美さん                Sra. Naomi Nishibayashi

小口 ルミコさん             Sra. Rumiko Oguchi

大出 優子さん                Sra. Yuko Oide

大城 愛実さん                Sra. Megumi Oshiro

嶋田 真美さん                Sra. Mami Shimada

田中 恵子さん                Sra. Keiko Tanaka

冨田 充子さん                Sra. Atsuko Tomita

渡邊 タエさん      Sra. Tae Watanabe

四倉 希さん                   Sra. Nozomi Yotsukura

 

 

 

おめでとうございます!
Moltes felicitats

 




16回絵本翻訳コンテスト一次審査 審査員

Membres del jurat de la primera etapa 


関西カタルーニャセンター 翻訳部門チーム

Equip de traducció del CCK

 

 

16回絵本翻訳コンテスト最終審査 審査員アルファベット順

Membres del jurat de l’etapa final (per ordre alfabètic)

 

平井うらら氏 - Prof. Urara Hirai大学講師、作家、翻訳家

金関あさ氏 - Sra. Asa Kanaseki スペイン大使館 経済商務部 書籍担当

モンセ・マリ- Sra. Montse Marí(関西カタルーニャセンター 会長)

 



絵本翻訳コンテストは皆様の応募に支えられ、今年
16回目を迎えることができました。

これからも継続して開催していく所存ですので、今後ともお力添えの程、よろしくお願いいたします。









第16回絵本翻訳コンテスト最優秀賞受賞作品

 

『雨にする? はれにする?』

 


ぶん/ミレイア・ビダル え/アンナ・フォント

 

松倉 真理 訳

 

 

 



雨です。

 

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雨が ふると、くつやの ワンさんの

みせの おくが あまもりして、

くつの はこが ぜんぶ ずぶぬれ。

 

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ワンさんは もんくを ぶつぶつ。きぶんは いらいら。

くつを 見にきた カルメンさんを ふきげんに あしらいます。

カルメンさんが さがしていたのは、

うんと 色あざやかで あつぞこの うんどうぐつ。

まごの 女の子が はいているような くつです。

 

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カルメンさんは がっかりです。おしゃれが すきなのに、

ぶあつくて ずんぐりした足に ぴったりな くつと

であえた ためしが ありません。

大きな足を わらわれるのは みじめだわ。

カルメンさんは バスていに つくと、

むしゃくしゃ しながら 水たまりに 足を バシャン。

水しぶきが とんだって おかまいなしです。

 

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ぬれてしまったのは この おかた。ラモンおじいちゃんです。

町に行って セキセイインコの えさを かおうと

27ばんせんの バスを まっていたところです。

なのに ズボンが ずぶぬれ。

せっせと アイロンを かけたんだぞ!

 

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バスは おきゃくさんで いっぱい。

でも ぷんぷん おこっている ラモンおじいちゃんは

まわりを みんな おしのけて、

たったひとつ あいている せきに すわります。

 

「ああ、がっかり」

そう おもったのは、ギドとアントニエッタ。

イタリアから やってきた ばかりで、

一日じゅう 町を 見てまわった ところです。

こしが いたくなった アントニエッタは

すわれたらいいなと おもったけれど、

もう あいている せきは ありません。

 

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バスが とまって、ギドと アントニエッタは そとに おりました。

さあ、いそがなくっちゃ。

町はずれの ホテルまで 行く でんしゃに

のりおくれるのは まっぴらごめんだ。

 

もう じかんが ないので 走っていると、

アントニエッタの かばんが エンリケに どおんと しょうとつ。

びっくりした エンリケの 手から 花たばが ばさり。

カードを そえて きれいに つつんだ 花たばです。

 

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あわてて 花たばを ひろったけれど、

花は 水びたしで エンリケは しょんぼり。

だいすきな バンドの えが かいてある シャツの そでで 花びらを ふき、

カードの インクに はあはあと 息をふきかけます。

きょうは こいびとと であって 5ねんめの きねんびなんだぜ。

 

じめんには 花が いちりん おちたまま。だれかに ふまれちゃうのかな?

 

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でもね、そこに すっと ちかづく 手が ひとつ。

しゃがんで 花を ひろったのは がっこうがえりの ブランカです。

わあ、とっても きれいな お花。

すっかり うれしくなった ブランカは、

ママの ために きょう かいた えを もう かくしておけません。

 

ママは にっこり えがおに なります。

この えを あたらしい しごとばに どんなふうに かざろうかしら?

つとめはじめた ばかり ですが、いちばの しごとは たのしくて、

おとくいさんが たくさん できたのも ママには うれしい ことでした。

 


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「れつの さいごは どこかな?」

そわそわして きいているのは エルネスト。

きょうは あたらしい ごきんじょさんたちに

ごちそうを ふるまうのですから。

この町に ひっこして まもない エルネスト ですが、

ありがたいのは さかなやさんの あたらしい うりこさんが

とっても しんせつなこと。

ぜったいに おいしいから、という りょうりを おしえてくれました。

 

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それはそれは おいしい ごちそうの できあがり!

つくった シチューの のこりを

ロシオばあちゃんに もっていってやろう。

エルネストは そう おもいました。

ばあちゃんに どのくらい あってないっけな?

 

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「ずいぶん あってなかったよ」

ロシオばあちゃんは エルネストに

あいさつの キスを いっぱい しながら なんども いいます。

シチューには はちみつの ビスケットを そえました。

ばあちゃんが 小さいころに つくりかたを おそわった ビスケットです。

おさいほうを ならったり、むらの おまつりで ツイストを おどったり。

むねには おもいでが いっぱい!

それにしても ときが たつのは なんて はやいのでしょう。

 

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おや、もう おそい じかん。

でも ロシオばあちゃんは まだ やすみたく ありません。

うきうきして そとに でかけたく なったのです。

しっかり あつぎを して、でも かさは おいて いきました。

雨は やんだようでしたから。

それに とおくに いきたい わけじゃ ないのです。

いえの 下にある ワンさんの くつやに ちょこっと おりていって、

あたらしい サンダルを かうだけですもの。

 


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ワンさんは だれもが みとめる くつの めききです。

ざんねんなのは くつの はこに かびが はえて、

みどりいろに なっていること。

「このはこ、どうにかしようって おもわないのかい?」と、ロシオばあちゃん。

「どうすりゃ いいんです? 雨がふったら」

「そうねえ、わたしの いえに おけるんじゃないかね。

あいてる へやが あるから、ものおきがわりに つかえそうだよ」

「そりゃあいい! ほんとうに いいんですか?」

「ほんとうですとも」

おしゃべりを しながら ロシオばあちゃんは

きいろい サンダルを はいてみます。

こゆびが はみだしそうでしたが、なんの!

ロシオばあちゃんは ちょいと こゆびをつかまえて

サンダルに すっぽり おさめました。

「おつつみ しましょうか?」

「とんでもない! いまから はいて いきますよ」

 

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ワンさんは もうすこし おみせに のこっています。

うんと 色あざやかで あつぞこで とくちゅうサイズの うんどうぐつを

ちゅうもんしてあったのです。

あの 足の 大きな おくさんが また きてくれるかも しれないからな。

おや、ちょうど とどいたようです。

まどの むこうに はこを もった はいたついんさんが みえます。

 

ぴかぴかの くつばこの きれいなこと!

雨が やんで ワンさんの きもちも すっかり はればれ。

 

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ちょうどよく バスから おりる カルメンさんが むこうに 見えます。

かみのけが きれいな 青色に そまっています。

ワンさんの きもちが ぱっと いっそう はれやかに なりました。

みせの そとに でて カルメンさんに こえを かけます。

「ごらんくださあい!」

 

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いまは いいおてんき です。







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