Sant Jordi 2018 『世界本の日』記念
第13回 絵本翻訳コンテスト

"
EL LLARG VIATGE DE NANUQ"

San Jordi 2018
Concurs de Traducció
"EL LLARG VIATGE DE NANUQ"



多数のご応募ありがとうございました。
受賞者などの結果はこちらをご覧ください。



 



今回の課題絵本「El llarg viatge de Nanuq」は2016年にEnric Solbes絵本賞を受賞した作品です。

母親の帰宅を何日も待ち続けたNanuqは、大切な「何か」を入れた小さなカバンを持って旅に出ることにします。でも旅に出てすぐ、大切なカバンをなくしてしまいました。

どうしたら取り戻せるだろう…。カバンを探しているうちに、自然界の現実と忘れてはならない大切なメッセージを知ることになります。


参加費:4,500円(課題絵本1冊を含む)
応募〆切: 2018年9月30日
受賞者発表: 2018年11月30日

絵本のみご希望の方には3,000円で販売致します。


皆様のご応募をお待ちしております。

お問い合わせは、 exosaka@osb.att.ne.jpまで。





Convoctòria del tretzè Concurs de Traducció: El llarg viatge de Nanuq

 

PREMI ENRIC SOLBES D'ÀLBUM IL·LUSTRAT 2016

 

 

 

Després d’esperar durant dies que torne sa mare, Nanuq se’n va de viatge amb una maleta on du el que més s’estima. Però poc després de començar el camí, la perd. Com la podrà recuperar ell sol? Mentre la busca, no sols descobrirà l’autèntica naturalesa del món que l’envolta, sinó un missatge valuós i inoblidable.

 

Participació4.500 ¥ ( llibre il•lustrat inclòs)

Data limit per presentar l'obra traduïda30 de setembre de 2018

Publicació del resultats: 30 de novembre de 2018

 

Les persones que vulguin el llibre sense participar en el concurs, el poden comprar per 3.000 ¥.

 

Us animem a participar-hi!! Per a més informació no dubteu en contactar-nos: exosaka@osb.att.ne.jp

 

 




 



13 回絵本翻訳コンテスト

"El llarg viatge de Nanuq” (Toni Cabo)

審査結果発表

 

Ens plau comunicar-vos que les guanyadores del 13è Concurs de Traducció del llibre

“El llarg viatge de Nanuq” (Toni Cabo) corresponent a la convocatòria de 2018,

son les següents:

 

Nos complace comunicarles que las ganadoras del 13º Concurso de Traducción del libro

"El largo viaje de Nanuq" (Toni Cabo) correspondiente a la convocatoria de 2018,

son las siguientes:




最優秀賞

Primer Premi

Primer Premio

 

森田 千恵さん宮城県

Sra. Chie Morita (Miyagi)


森田さんの作品はこちら



 

2

Segon Premi

Segundo Premio

 

長井 英子さん(神奈川県)

Sra. Eiko Nagai (Kanagawa)




 

3

Tercer Premi

Tercer Premio

 

本多 桃代さん(神奈川県)

Sra. Momoyo Honda (Kanagawa)

 




 

二次審査に進まれたのは次の 20 名の皆様です(順不同)

Els candidats que després de passar la primera eliminatòria han arribat a la final son els següents (per ordre alfabètic)

Los candidatos que después de pasar la primera eliminatoria han llegado a la final son los siguientes (por orden alfabético)

 



麗真さん                             Sra. Reima Arata

浅川 朋美さん                          Sra. Tomomi Asakawa

本多 桃代さん                          Sra. Momoyo Honda

石井 杏奈さん                          Sra. Anna Ishii

石井 律子さん                          Sra. Ritsuko Ishii

木村 遥香さん                          Sra. Haruka Kimura

木下 雅夫さん                          Sr. Masao Kinoshita

前島 貴志さん                          Sr. Takashi Maejima

森田 千恵さん                          Sra. Chie Morita

村松 美香さん                          Sra. Mika Muramatsu

長井 英子さん                          Sra. Eiko Nagai

中村 美乃さん                          Sra. Yoshino Nakamura

中尾 しょうこさん                      Sra. Shoko Nakao

小木曽 由佳さん                      Sra. Yuka Ogiso

大出 優子さん                         Sra. Yuko Oide

佐藤 聡さん                             Sr. Akira Sato

嶋田 真美さん                          Sra. Mami Shimada

武田 恭子さん                          Sra. Kyoko Taketa

和田 瞳さん                             Sra. Hitomi Wada

渡部 正子さん                          Sra. Masako Watanabe

 

 


13 回絵本翻訳コンテスト審査員(アルファベット順)

Membres del jurat (per ordre alfabètic)

Miembros del jurado (por orden alfabético)

 

平井うらら氏  Prof. Urara Hirai (大学講師、作家、翻訳家)

モンセ・マリ  Sra. Montse Marí (関西カタルーニャセンター 代表)

奥野良知氏  Prof. Yoshitomo Okuno (愛知県立大学 准教授)
吉田理加氏  Prof. Rika Yoshida   順天堂大学国際教養学部准教授、スペイン語会議通訳者)



 




第13回絵本翻訳コンテスト最優秀賞受賞作品

『ナヌークの長い旅』
森田千恵 訳




こぐまのナヌークは、もうずいぶん長い間、巣穴でひとりぼっちでした。
こんなことは、はじめてです。
「お母さんがいないおうちは、広すぎてさびしいよ」と、ナヌークは思いました。

***

お母さんは、もう何日も帰ってきません。
冬の夜は、長くて、こごえるように寒いのです。

***

ナヌークは、巣穴のそばで、絵筆でかいたような赤いシミを見つけました。
これはいったい何だろう? ナヌークにはわかりません。

***

あたりは見渡すかぎり、真っ白な雪におおわれています。
赤いシミは、その雪景色の中をとぎれとぎれに続き、丘のむこうに見えなくなっていました。

***

何日もたちました。ナヌークは、ずっとひとりでした。
そこで、ナヌークは、
いちばん大切なものをカバンにつめて、巣穴をあとにしました。

***

氷から氷へ、ぴょんぴょん 飛び移っているときに、
カバンを海に落としてしまいました。
カバンは、ゆっくりとしずんでいきました。

***

ナヌークは、思わず海に飛び込みました。カバンをなくしたくなかったからです。
でも、そこへアザラシが通りかかり、
カバンをナヌークの手の届かないところへ持っていってしまいました。

***

とつぜん、潜水艦がやってきました。
潜水艦は、怒ったように、勢いよく突っ込んできて、
ナヌークを海の外にはじき飛ばしました。

***

ナヌークは、どすん と、氷の上に落ちました。
そして、氷にのったまま、岸まで運ばれていきました。
岸辺には、雪のように真っ白なキツネがいました。

***

「ぼくのカバン、見なかった?」
ナヌークは、気がかりな様子でたずねました。
「いいや、見なかったよ。中に何が入っていたの?」
「とても大切なものなんだ」
「君を助けてあげるわけにはいかないよ。だって、今は小さいけれど、君はクマだもの。
大きくなったら、わたしを食べてしまうかもしれないからね」

***

大きなトナカイが、ナヌークに近づいてきました。
ナヌークが泣いているのを見て、たずねました。
「どうしたの? ひとりかい?」
「カバンをなくしちゃったんだ。それなのに、誰も助けてくれないんだ」
「中に大切なものが入っていたのかな?」
「うん。ぼくの宝物が入っていたんだ」

***

「助けてあげたいのはやまやまだけれど、できないんだ」と、トナカイは言いました。
「群れの仲間と一緒に行かなければならないからね。でも、気をつけて行くんだよ。
きみはひとりぼっちだし、まだ小さい。
誰かにつかまって、食べられてしまうかもしれないからね」
そう言って、トナカイは、行ってしまいました。

***

氷の穴から大きなセイウチが飛び出してきました。
怒ってイライラしています。
もう少しで、その長いキバが、ナヌークの体に突き刺さるところでした!
「オレのなわばりから出ていけ! さもないと、おまえを食ってしまうぞ!」
セイウチは怒鳴りました。
ナヌークは、こわくなって逃げ出しました。

***

誰もナヌークを助けてくれそうにありません。

***

空に、奇妙な形の雲が見えてきました。
あの雲、どこから来るんだろう?

***

ナヌークは、その雲がどこから来るのか調べることにしました。
そして、イヌイットの小屋を見つけました。
煙突から煙が出ています。

***

岸辺に、釣り竿を持った生き物が見えます。
ナヌークは、これまでヒトを見たことがありませんでした。
何をしているのかな? 何を探しているんだろう?
ナヌークみたいに、何かなくしてしまったのかな?

***

ナヌークは、こわがることなく、ヒトに近づきました。
ふたりは、じっと見つめ合いました。

(以下、省略)




最優秀賞作品の全文をご覧になりたい方は、関西カタルーニャセンター事務局までお問合せください。

但し、出版社側の意向により、本コンテストにご応募いただいた方、および、課題絵本をご購入いただいた方に限ります。
何卒ご了承ください。






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