Sant Jordi 2011 『世界本の日』記念
第6回 絵本翻訳コンテスト
"La paraula que se’n va anar de vacances"

San Jordi 2011
Concurs de Traducció

"La paraula que se’n va anar de vacances"

en català




多数のご応募ありがとうございました。
受賞者などの結果はこちらをご覧下さい。





<応募要項>


応募資格:特になし(年齢・国籍・資格など不問)


翻訳課題:
『La paraula que se'n va anar de vacances』(カタルーニャ語)、『La palabra que se fue de vacaciones』(スペイン語)のいずれかを日本語に翻訳


応募方法:


1.応募用紙の請求と課題絵本の購入
ご氏名、ご住所、お電話番号、メールアドレスを記載のうえ、メールにて関西カタルーニャセンターにご連絡ください。 折返し応募方法のご案内と応募用紙をお送りします。       

2.参加費、課題絵本料金のお支払い  
指定の銀行口座へお振込、もしくは関西カタルーニャセンターにて直接お支払いください。入金の確認が出来次第課題絵本をお送りします。

3.応募作品の提出
ワードで作成した翻訳原稿に記入済応募用紙を添えて、関西カタルーニャセンターにメールにてご提出ください。


参加費:4,500円(課題絵本1冊とその送料も含まれます)


応募〆切:
2011年9月30日


受賞者発表:
2011年11月15日


授賞式:
2011年12月開催予定の関西カタルーニャセンター主催イベントにて


お問い合わせ・応募受付:
関西カタルーニャセンター「絵本翻訳コンテスト」係
E-mail: exosaka@osb.att.ne.jp
TEL 06-4704-4690 (月〜金:13:00〜21:00/土:13:00〜18:00)
〒541-0059 大阪市中央区博労町3-1-8-403

 





Convocatòria


Requisits per presentar-se al concurs: aquest concurs està obert a totes les persones interessades, independentment de l’edat, nacionalitat o activitat professional. 


Enguany, el llibre que cal traduir al japonès és:

La paraula que se’n va anar de vacances (en català)

La palabra que se fue de vacaciones (en castellà).

 

El concurs es convoca per traduir al japonès la versió catalana pero això no vol dir que els participants no puguin fer servir la versió castellana com a suport. En cas de necessitar-la, caldrà demanar-la al CCK que us la farà arribar en format PDF.

 

Per participar en el concurs, cal:

  1. Enviar un missatge electrònic al CCK demanant que us faci arribar el formulari de sol.licitud. En el missatge electrònic, cal fer-hi constar el vostre nom, adreça postal, un número de telèfon de contacte i l’adreça electrònica.
  2. Fer el pagament corresponent a la quota de participació. El pagament es pot fer personalment o mitjançant una transferència bancària. A continuació, el CCK us enviarà el llibre i, si l’heu demanat, el PDF la utlització del qual queda prohibida per altres fins que no siguin els establerts.
  3. Les traduccions acabades, caldrà enviar-les al CCK en format Word juntament amb el formulari de sol.licitud degudament emplenat.

 

Quota d’inscripció:  4.500 Yens (El preu inclou el cost del llibre)

Data límit de la sol.licitud: 30 de setembre de 2011

Publicació dels resultats: 15 de novembre de 2011

Envieu l’inscripció al Centre Català de Kansai

e.mail: exosaka@osb.att.ne.jp

tel.: (81)(0)-6-4704-4690 (13:00-21:00h.)









第6回 絵本翻訳コンテスト 受賞者
Guanyadores del 6è Concurs de Traducció de Llibres Il.lustrats (2011)


最優秀賞 /
Primer premi
善家 彩 さん(東京都) / ZENKE Aya (Tokyo)

最優秀賞の善家さんの作品はこちら


特別賞(順不同) / Mensions/Premis especials
岩崎 たまゑ さん(東京都) IWASAKI Tamae (Tokyo)
大田 由美子 さん(京都府) OTA Yumiko (Kyoto)


受賞者の皆さん、おめでとうございます!
また、当コンテストに応募してくださった皆様の賞賛すべき努力のおかげで "La paraula que se'n va anar de vacances/La palabra que se fue de vacaciones" の絵本を広く知っていただく機会となりました。主催者一同、皆様に感謝申し上げます。

 


Enhorabona a les guanyadores !

El nostre reconeixement també va dirigit a totes les persones que amb llur candidatura, han contribuït a la divulgació de l’obra “La paraula que se’n va anar de vacances.” L’esforç de tothom ha sigut admirable!




『休暇に出かけた ことば のはなし』   翻訳:善家 彩



とびっきりの秘密を教えてあげよう。ぼくらはおしゃべりをするよね、そのときに、「ことば」がどこからやってくるんだろうって、考えてみたことはあるかい? 実は、ことばは辞書の中で暮らしていてね、だれかが何かひとこと言うたびに、そっから大急ぎで飛び出して、自分を待っている文章のところへ、かけつけるんだ。
ことばたちは、こっちの文章からあっちの文章へ…と、一日中働きっぱなし。そのおかげで、ぼくらは考えていることを伝えることができるってわけさ。【〜くん】や恋人の【〜さん】みたいに、1分たりともじっとしていないことばもいる。まぁ、【超難解】のように、あくびをフワフワ、ご近所さんとおしゃべりぺちゃくちゃ…なんて、お気楽なことばもいるけれど。

でも、ひとつ困ったことがあってね…。【買って】ばっかり言いたがる子どもが、とっても多いんだ。散歩にでかければ、ふたこと、みことめには絶対に【買って】って言うんだよね。お気に入りのことばなんだな!
「あのオモチャ買って!」「あのチョコレート買って!」
さあ、その瞬間、【おもちゃ】に【チョコレート】、それからもちろん!【買って】が辞書から飛び出すぞ。急いで文章のところへかけつけるんだ。

そうこうするうちに、日に日に【買って】の体はやせ細っていってしまった。食事をするひまも無いんだもの。一日中自分のページから出たり入ったりの繰り返し。戻ってきたと思ったら、またしても子どもたちが【買って】と言うからさ。
ちなみに、【買って】って言う子は、たいていいつも同じ子たちなんだよ。

あるとき、【買って】は仲間たちに、もううんざりだよ、と打ち明けた。じっさい、ぐあいも悪そうだったし、みんなは【買って】が病気にならないかと心配し始めた。
「【医者】にみてもらったほうがいいよ」と、【理解】がすすめた。【理解】は友人たちの体のぐあいを、よく知っているやつなんだ。たとえ「400ページ先にいたとしても」ね。
でも、【買って】は、ほんの10分間だって、仕事を休むことができなかったんだ。

ある夜、ほかのことばたちが眠っている間に、【買って】はあることを心に決めた。
小さなスーツケースを取り出すと、そこに自分の「意味」をぐちゃぐちゃっと、つめこんだ。そして、これまでずっと過ごしてきた辞書のページから、姿を消してしまったんだ。

翌朝、みんなが【おはよう】【やぁ、元気?】なんて、朝のあいさつをかわしはじめたころ。【買って】のご近所さんの【作曲家】は、できあがったばっかりのすてきなメロディーを、口笛で吹いていた。そのうちに、友人のスペースがもぬけの殻なのに気がついたんだ。
はじめのうちは、そんなに気にしちゃいなかった。まぁ、どっかの子どもが早起きして、またお気に入りのことばをうるさく繰り返しているんだろう、くらいに思っていたんだ。ところが、【買って】はなかなか戻ってこないじゃないか。だから、だんだん心配になってきて、そのことを【完璧】に話したんだ。【完璧】はなんでも知ってるやつなんだよ。
しばらくすると、【気の合う悪友】と【気のおけない仲間】が駆けつけてきた。彼らはそっくりで、いつも一緒にいるんだ…といっても、性格はそれぞれ違うんだけどね。
すぐに20以上のことばたちが集まった。みんなが同じことを話題にしていた。行方不明になってしまった仲間のことについてだ。「こんなことは、うまれてはじめてだ!」仲間の無事と、これからどうなるのかということを心配して、【コンピューター】が叫んだ。

まさに、これこそが「ことばを失う」ってやつだよ!

またたく間に、【か行】から始まることばたちのページはぐちゃぐちゃになってしまった。まっさらなページもあれば、ぎゅうぎゅうづめのページもあって、きちんと決められた場所にいることばは、ひとつもなかった。
さすがに【行儀】が、ちょっと怒ったようすで「辞書としてあるまじき姿だ」と、ピシャリと言い放った。それでやっとみんなは、文字順に並びなおして、元通りになったんだ。

この騒ぎの間、子どもたちには信じられないことが起こっていた。買い物に出かけても、お店で何と言ったらいいのか、わからなくなっちゃったのさ。そのようすはまるで、ことばがでてこない、ことばが頭に思い浮かばない、そんな感じだった。だけど、それよりも、家でお父さん、お母さんと話しているときや、学校で友達に何か言いたい、と思ったときにも、やっぱりことばがでてこなくなっちゃったことのほうが、困りものだった。
子どもたちから【買って】が消えちゃっただけじゃ、なかったんだ。

たくさんのことばたちが腹を立ててしまってね。それに、いつか自分も同じようにひどい扱いを受けるんじゃないかと不安になったんだ。そこで、子どもたちからの呼び出しを無視しようと決めたってわけ。文章ひとつ作れないってのは、それはもう、たいへんなことだった。

いつでも、なにをするにも、ことばがたりないんだ。

たまに、うっかり屋のことばがふらりと文章に現れたりした。
でも、そこにいるのは、やっぱり同じようなあわて者や、冗談が大好きなことばたち…というか、単に意地悪なやつとも言えるけど…。そんな彼らが一緒になって作る文章は、とんでもなくデタラメだった。

「まぬけな猫の水兵さん!」
男の子がニコニコしながらそう叫んだ。お母さんが、その子をぎゅっと抱きしめて「大好きよ」って言っている最中にだよ。

「毛むくじゃらでのろまなピアノ!」
別の男の子は、お父さんに「おやすみなさい」をいうつもりで、そう言った。

「べたべた世界一のソーセージ!」
先生に宿題を見せなさいと言われて、そう答えた子もいたな。

お父さん、お母さんたちは、ものすごく心配になった。
子どもたちの頭がおかしくなっちゃったんじゃないかと思ったのさ。いくらか飲み薬でも飲めば治るんじゃないかと、病院に連れて行ったりした。でも、冗談に味をしめたことばたちは、どんどん調子に乗りだしたんだ。
「はい、口をあけて、あ〜ん」女の子のかわいそうな舌を棒でおさえながら、お医者さんがそう言った。
「わからず屋、ばか、うすのろ!」女の子がそう答えた…、というか、答えたのは仲良し三人組のことばたちなんだけどね。小さな女の子があんまりにもひどい口のきき方をしたものだから、大人たちはビックリだ。それを見て、三人組は大爆笑。
もう、めちゃくちゃだった。だけど実はね、その間、誰も【買って】と言おうとしなかったんだよ。

怒ったり笑ったり、もう、ぐっちゃぐちゃの大混乱。そんな日々がしばらく続いたある夜のことだった。【買って】が、自分のページにひょっこりと姿を現したんだ。ほかのことばたちは、寝る準備をしていたところだった。【お】と【あ】で始まることばたちは、あくびを連発。【し】で始まることばたちは、まだ騒いでいることばたちを静かにさせようとしていた。【ん】は、自分は静かにしているのに、と不平をぶつぶつ。おやすみ前の、いつもと変わらない光景だった。
【買って】が帰ってきたというニュースは、口から口へ、文字から文字へ…【あ】から【ん】まであっというまに広まった。もう、だれも、友人がどこへ行っていたのかを聞くまでは、眠る気なんてなかった。
【買って】は、旅で疲れてはいたけれど、冒険のようすをかいつまんで話すことにした。自分が帰ってきたことで、大騒ぎになっちゃったからね。騒ぎを鎮めるためにはそうするしかなかったんだ。ほんとうは、とにかく、住み慣れた自分の場所に戻って眠りたかったんだけど。

【買って】は、自分たちとは違うことばがのっている辞書の中に行っていたんだよ、と言った。
文字はほとんど同じなんだ。でも、その文字たちがくっついてできることばは、ちょっと変で、発音しにくいものもあった。とくに最初、着いてすぐのころは、まだ不安だったからね、よけいにそう思えたんだ。
【買って】は、【か】から始まることばたちの最後に何も書いていないスペースを見つけて、その場所に腰を落ちつけることにしたんだ。ちなみに、そこでは、誰からも呼び出されずにすんだ。こうしてやっと、ゆっくりと休むことができたんだよ。
ところがね、やすらげたんだけれど、ちょっぴりさみしかった。
でも、それもある日、文章のところから戻ってきたあることばが、【買って】のところへとやってきて、自己紹介をするまでのことだった。彼は【なんきん】だと名乗った。【買って】は、彼の身振りから、彼が友人の【かぼちゃ】と同じだとわかった。しばらくすると、別のことばたちもやってきた。礼儀正しくていつもお礼を言う【おおきに】や、とっても気のいい【さいなら】。【さいなら】は、別れ際、何度も自分の名前をくりかえしていたな。
そうやって、だんだん仲良くなって、友達ができ始めたんだ。

ある日、【買って】は、四六時中あちらこちらへ動き回っていることばに気がついた。彼は1分たりとも休まずに、子どもたちが口にする文章に出たり入ったりを繰り返していたんだ。
悲しそうな表情で、あまりの忙しさに疲れきっているように見えた。
すぐに、彼が自分と同じ意味の【買うて】以外のなにものでもないと、ピンと来た。
二人はあっという間に大親友になった。だって、その辞書の世界でも、やっぱり子どもたちは、【買うて】をうんざりさせていたんだ。
お互いに苦労話をすると、気分が晴れて、すっきりした。【買うて】は、【買って】を辞書めぐりツアーに連れて行ってくれた。そこでたくさんのことばたちを紹介してくれたんだ。そのほとんどが、今では【買って】の友達さ。

のんびりと楽しい日々を過ごすうちに、【買って】は、ほぼ完ぺきに理解しあうことができるようになって、居心地もよくなった。
なんだかんだいって、みんなことばなんだ…そんなに自分と変わらないや。
ほんのちょっと頑張って集中したら、何時間でもおしゃべりし続けることができるようになった。お互いに、しょっちゅう呼びだされていた時に見て回った場所のことを話して聞かせた。
たまに緊急の呼び出しがあった時だけ、彼らはおしゃべりをストップして、急いで文章のところに飛び出していった。
でもね、やっぱり、昔ながらの友人たちにも会いたかったし、【か】から始まることばたちのページにある自分の場所が恋しく思えた。
誰かが自分のことを口にしないかな、そうすれば文章のところへいって、仲間たちと会えるのに、と呼び出されるのを待ち遠しくさえ思ったんだ!
だから、【買って】は、うちへ帰ることに決めたんだ。でもその前に、ちょっぴりさみしかったけどきちんと別れを告げて、次は僕の辞書に泊まりにおいでよ、と、新しい友人たちを招待した。

この冒険のあとで、ことばたちの世界は大きく変わったんだよ。
子どもたちは、【買って】のことを忘れちゃったみたいに、【買って】とわめき散らさなくなったんだ。おかげで【買って】は、ぽっちゃりとして、肌はバラ色、見た目にも健康的になった。
子どもたちは、別のことばを使うようになったんだ。
「雪の牛カステラ!」「ジャレるのが大好きなサツマイモのポタージュ!」
男の子が叫んだ。友達は大爆笑だ。
そう。子どもたちは、意味のない文章を作って遊ぶようになったんだ。デタラメを言い合って笑いっぱなしの午後を過ごすようになったのさ。
そうそう。来週ぼくらの辞書に【買うて】が泊まりに来るよ。
でも、誰にも言っちゃだめだよ。
ちょいと息抜きにやってくるんだ。






関西カタルーニャセンターは、スペイン・カタルーニャ州政府議会により承認された公式センターです。

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