Sant Jordi 2008 『世界本の日』記念
第3回 絵本翻訳コンテスト



多数のご応募ありがとうございました。
受賞者などの結果はこちらをご覧下さい。

授賞式の様子はこちらをご覧下さい。
受賞作品はこちらをご覧下さい。




応募要項


応募資格:特になし(年齢・国籍・資格など不問)

翻訳テーマ:
Brosquil Edicions社出版の「El Somni de Miro(カタルーニャ語)」または「El sueno de Miro(スペイン語)」

翻訳言語:
スペイン語もしくはカタルーニャ語から日本語への翻訳

応募方法:

1. 応募用紙の請求と課題絵本の購入
ご氏名、ご住所、お電話番号、メールアドレスを記載のうえ、関西カタルーニャセンターにメールにてご連絡ください。折返し詳しい応募方法のご説明と応募用紙をお送りします。
2. 参加費、課題絵本料金のお支払い
指定の銀行口座へお振込いただくか、関西カタルーニャセンターにて直接お支払いください
3. ワードで作成した翻訳原稿に記入済応募用紙を添えて、関西カタルーニャセンターにメールにてご提出ください。

お問い合わせ・応募受付:
関西カタルーニャセンター「絵本翻訳コンテスト」係
E-mail: exosaka@osb.att.ne.jp
TEL 06-4704-4690 (13.00-21.00)
〒546-0059 大阪市中央区博労町3-1-8-403


参加費
:1,500円
     ※別途、課題絵本を購入していただく必要があります。

課題絵本価格:2,900円(お届けの送料込)

カタルーニャ語から日本語への翻訳を希望される方にも、スペイン語の絵本をご購入いただいた上で、カタルーニャ語版のPDFファイルをお送りします。
 また、スペイン語から日本語への翻訳を希望され、課題絵本をご購入いただいた方で、カタルーニャ語版のPDFファイルを希望される場合も、カタルーニャ語版PDFファイルをお送りします。
 但し、 カタルーニャ語版PDFファイルの取扱については、その目的が翻訳コンクールへの参加の場合に限り認められておりますので、これを印刷したり、その他の目的に使用することは、固く禁じられています。



応募〆切:
2008年7月31日

受賞者発表: 2008年8月31日

授賞式: 2008年9月14日開催予定のミロに関するセミナー(エクステンション、関西カタルーニャセンター主催)会場にて

賞(予定): 第3位までを決定。第1位受賞者から順に下記賞品の中から選択。
- スペインでの2週間語学コース(往復航空券は個人負担)
- Triangle Postals出版、エクステンション翻訳のガウディ関連の書籍2冊セット(日本語とスペイン語)
- エクステンションでの通訳翻訳者養成コース
- スペインの絵本セット

審査基準:
-原作に対して忠実な翻訳であるか
-イラストと文章の調和があるか
-正しい文法
-文章の美しさ
-いくつかの語彙、表現についての正確さ

主催:関西カタルーニャセンター/日本・スペイン文化経済交流センター エクステンション

コンテストの目的:
-
日本における外国語学習と翻訳技術を促進する。
- 日本におけるスペインの絵本の普及を促進する。
- 教育的、芸術的、文化的、また世代を超える絵本の価値についての認知を広める。

審査員(順不同):
中岡省治氏(関西外国語大学 スペイン語学科教授)
坂東省次氏(京都外国語大学 イスパニア語学科教授)
金関あさ氏(スペイン大使館経済商務部 書籍担当)
平井うらら氏(大学講師、作家、翻訳家)
長谷川信弥氏(大阪大学 外国語学部 助教授)
モンセ・マリ(関西カタルーニャセンター代表)

 

 

第3回絵本翻訳コンテスト受賞者

第1位 武藤 奈緒子さん(茨城県) Sra. Naoko MUTOU (Ibaraki)
第2位 矢野 真弓さん (愛媛県) Sra. Mayumi YANO (Ehime)
第3位 星野 由美さん (東京都) Sra. Yumi HOSHINO (Tokyo)
第4位 ゴマル 美保さん(兵庫県) Sra. Miho GOMAR (Hyogo)
第5位 川嶋 慶子さん(東京都) Sra. Chikako KAWASHIMA (Tokyo)



二次審査に進んだ方は以下の20名の皆様です。(50音順)

上田 愛子さん
大塚 恵子さん
川嶋 慶子さん
ゴマル 美保さん
佐々木 織栄さん
嶋田 真美さん
高部 良さん
田中 智美さん
徳山 悦子さん
内藤 普子さん
中尾 しょうこさん
長野 はなさん
麓 愛弓さん
星野 由美さん
武藤 奈緒子さん
村田 優子さん
森下 嘉子さん
矢野 真弓さん
四元 敬子さん
和仁 美花さん


尚、審査講評および優秀作品については、後日当ページに掲載する予定ですので、今しばらくお待ちください。

絵本翻訳コンテストは来年も開催する予定です。
来年のコンテストも皆様からのご応募を主催者一同お待ちしております。





去る9月15日、大阪産業創造館にて、セミナー「ジョアン・ミロ〜夢の色〜」が開催され
、セミナーに続いて、 第3回絵本翻訳コンテストで上位に入賞された方々の授賞式も開催されました。

今回、授賞式にご出席下さったのは、以下の方々です。

写真右から:
第1位 武藤 奈緒子さん(茨城県) Sra. Naoko MUTOU (Ibaraki), Primer premi
第2位 矢野 真弓さん(愛媛県) Sra. Mayumi YANO (Ehime), Segon premi
第4位 ゴマル 美保さん(兵庫県) Sra. Miho GOMAR (Hyogo), Quart premi
第5位 川嶋 慶子さん(東京都) Sra. Chikako KAWASHIMA (Tokyo), Cinque premi
*尚、第3位の星野 由美さん(東京都) は、残念ながら欠席でした。

受賞者の皆さん、おめでとうございました。



ミロのゆめ
カルレス・アルバト・セラロルス 文・絵



1925年のことです。若きジョアン・ミロは、
パリに住んでいました。そのころ、パリは 
まいにち大きくなりつづけ、なんでもかんでも 
ますますめまぐるしくなっていました。ミロは、バルセロナが 
なつかしくてたまりません。小さいころに虫をつかまえてあそんだ、
どこまでも広がる原っぱや、ふるさとの村モンロチの農家や、
めんどりたちや、畑にたねをまく農夫のすがた。
でも、ここにあるのは、コンクリートの木と、
空までとどきそうなたてものばかり。
パリに住んでいる人たちは、大地のかおりを
わすれているようでした。

ミロは、空をながめるのがだいすきでした。
長いあいだ星座や星をみつめては、
それを絵にかきました。
そして、この宇宙のすべてに
ミロのゆめがひそんでいたのです。ミロのゆめ、それは、
いつの日か、農夫になって空をたがやすことでした。
まいにち、ことばを集めて筆でかきとめ、詩をつくりたい。
おひさまの色をとってきて、
あたらしい星をえがきたい。
夜のとばりをきりとって、
つかれをしらないツバメのように
空とぶつばさをつくりたい。

でも、そんなに大きな空を絵にしたことはありませんし、
自分でも、このゆめをかなえるのはむずかしそうだとおもっていました。
けれども、ふと、すてきなかんがえがうかびました。
家のやねを青くして、上からみたら
空みたいにみえるかもしれないぞ……。そこで、さっそくとりかかろうと、
かまに火を入れました。

かまの火は、あかあかともえて、なん日かたつと
かわらができました。あざやかな青い色のかわらです。
それをいちまい、またいちまいと、ていねいにならべていきます。
かんぺきな空をつくりたい、ただそれだけをかんがえて。ほら、かわらが
きれいにならびました。かみのけを、きちんととかしつけたみたい! ミロは
上にのぼって、自分がつくった空をながめてみましたが…

こんなにちっぽけだなんて! まるで、水のないプールみたいです。
ミロはがっかりしてやねからおり、アトリエにもどりました。
それじゃ、もっと大きな空をつくらなくちゃだめなんだ!
それから、いつものように、ひじかけいすにこしかけて
パリの地平線をじっとながめました。
とつぜん、ミロはひらめきました。「わかったぞ!
町じゅうを、青くぬってしまえばいいんだ!」

ミロはまたやねの上にもどって、大きな金ぞくのタンクを
つくりました。えのぐがたくさん入るのにしなくちゃ!
それから、うでまくりして、こまかい青いこなと水をまぜ、
ぐるぐるとよくかきまわします。ちゃんときれいにぬるには、
だまができないようにしないといけませんからね。
こうしてえのぐができたなら、のこったしごとは、あとひとつ。

えのぐをまくために、100人にてつだってもらうことにしました。
みんないっしょに、力いっぱいタンクをおすと、とうとう……
バッシャーーーン! えのぐがやねをながれおち、
パリの町じゅうが青くそまりました。
ミロは大よろこび。
これこそ、ぼくがゆめにみていたとおりの空だ!

それから、たねがいっぱい入ったふくろと
くわをかついで、かいだんをおりていきました。

通りには、おこっている人がたくさんいました。
なんたることだ、町じゅうが青くなってしまうとは。
しかも、かおがえのぐでよごれてしまったじゃないか!
けれども、ミロは大まんぞく。あたまの中は、自分がつくった
あたらしい空のことと、これからそだつ草や木の
ことばかりです。

その日の午後、たねまきをおえたミロは
やねにのぼって、けしきをうっとりながめます。
これで、たねがめを出せば、そだったものを集めて、
絵がたくさんかけるはずです。
あたりいちめん、きれいな青。
えんとつから立ちのぼるけむりは、雲のよう……。

けれども、なん日かたっても、なにも生えてきません。いまは夏。
あつくて雨がふらないので、なにもかもかわいてしまって
たねが、めを出さないのです。水がなければ
草も木もそだちません。こうなったら、
もうしばらくがまんして、
秋の雨がふるのをまつしかなさそうです。

とつぜん、はなの上に雨つぶがおちてきました。
空をみあげたミロは、おもわずさけびました。
「やったぞ! 雨だ! もっとふれ!」
はじめはぽつぽつふっていたのが、だんだんはげしくなっていき、
やがて大雨、それからどしゃぶり、
そして、とうとう大あらしに!

町は、すっかり水びたし。かべのえのぐはすっかりおちて、
通りはどろだらけ。あんなにきれいな青だったのに、
いまでは、まるで油のしみです。
ミロはがっかりしてアトリエにもどり、しょんぼりとドアをしめました。
これでは、ゆめをかなえるのは、もうあきらめるしかなさそうです。
たがやすことのできる空をつくるのは、やっぱり
むりなのでしょうか……。

その日から、ミロは、やねにのぼったり鳥をながめたりするのを
やめてしまいました。どんな絵をかいても、悲しくなる
ばかりです。けれども、あるばん、
ミロはとくべつな絵をかきました。
白いキャンバスに青いえのぐをぺたぺたぬると、
きれいな字で、ていねいにかきました。
「これは、ぼくのゆめのいろ」

とつぜん、絵の中の青い色がうごきだし、
どんどん大きくなっていきました。はじめはいびつな
まるいかたちだったのが、だんだん、だんだん大きくなって、
とうとう、ドアのかたちになりました。

ミロはびっくりして、おそるおそるドアをあけてみました。
ドアのむこうにあったのは、
とてもふしぎなはしごでした。

ミロは少しもためらわず、はしごをのぼっていきました。いったい
どこまでつづいているのでしょう? いちだん、またいちだんとのぼっていき、
とうとうてっぺんにたどりつくと、ミロがゆめにみたとおりの
まっさおな空が広がっていました。

ミロはうれしさのあまり、自分の目がしんじられないくらいでした。
きをつけて、そうっと青空の上に足をおろしてみます。
そして、自分は世界でいちばんしあわせだとおもいました。

それから、くわがあらわれました。
ミロは力いっぱいたがやして、うねをつくります。
そうしてポケットに入っていたたねをまくと、
魔法のように、めが出て、ぐんぐんそだっていきました。
こちらには花、あちらにはことば、それから星もうまれました。
いちばんきれいだったのは、ふくらんだつぼみの中から
あらわれた、はばたく鳥のすがたです。
ついに、ジョアン・ミロは
空をたがやすことができたのです!

この夜から、ジョアン・ミロには楽しいひみつができました。
絵の中の青いドアをあけて、はしごをのぼり、
たがやした空の実りを集めます。こうして、ミロの絵は、
ことばや色、星や鳥、そして魔法で
いっぱいになったのです。





*オリジナル作品は、漢字にフリガナがふられていましたが、WEBでの表示の都合上、フリガナは割愛いたしました。ご了承下さい。




関西カタルーニャセンターは、スペイン・カタルーニャ州政府議会により承認された公式センターです。

関西カタルーニャセンター
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