Sant Jordi 2007 『世界本の日』記念
絵本翻訳コンテスト

結果発表はこちら

優勝者の翻訳作品はこちら
授賞式の様子はこちら



応募要項


応募資格:特になし(年齢・国籍・資格など不問)

翻訳テーマ:
Brosquil Edicions社出版の「La petita guineu i les flors de neu(カタルーニャ語)」または「Las flores de nieve y el zorrito(スペイン語)」

翻訳言語:
スペイン語もしくはカタルーニャ語から日本語への翻訳

応募方法:
応募費用を指定口座に振り込み、課題絵本を購入し、ワード文書で翻訳原稿を作成のうえ、規定の応募用紙を添えEメールにて提出。(応募用紙は関西カタルーニャセンター CCKまでEメールにてご請求下さい。)
*絵本購入についての問い合わせ:(株)穂高書店 TEL 03-3233-0331 E-mail info@hotakabooks.com
*穂高書店では、この絵本を2,415円(税込)で販売しています。(残部僅少となっております。2007/05/22)

応募費用
:1,500円(振込先:三井住友銀行 船場支店 普通1369635 CCK)
     *応募者ご本人のお名前で振り込んで下さい。

応募〆切:
2007年6月25日 関西カタルーニャセンター 必着

結果発表:2007年7月23日

授賞式:2007年7月29日「高校生スペイン語スピーチコンテスト」会場

 




Sant Jordi 2007 『世界本の日』記念
絵本翻訳コンテスト
受賞作品決定!

受賞者の皆様、おめでとうございます!

受賞者の皆様には、関西カタルーニャセンターから賞状、副賞について、また授賞式についてなど詳細を個別にご連絡させていただきます。

尚、授賞式は、2007年7月29日「高校生スペイン語スピーチコンテスト」会場にて開催いたします。受賞者の方やご家族はもちろん、翻訳コンテストに応募された方、そうでない方、どなた様もご入場いただけますので、お誘い合わせの上、ご来場下さい。当日は、全国の高校から選抜された13人の高校生たちが、熱のこもったスピーチを披露してくれる予定です。また、スペイン書籍の販売やスペイングッズが当たる抽選会なども行います。


審査員(順不同)

中岡省治氏 関西外国語大学 スペイン語学科教授
金関あさ氏 スペイン大使館経済商務部 書籍担当
平井うらら氏 大学講師、作家、翻訳家
長谷川信弥氏 大阪外国語大学 スペイン語学科教授
モンセ・マリ 関西カタルーニャセンター代表


受賞者には、賞状の他、以下の副賞のなかからいずれかひとつを授与。尚、賞品は上位入賞者から順に選択していただくものとします。

副賞
−スペインでの2週間スペイン語研修(Kingsbrook, Barcelona)※往復航空券は受賞者負担
−Brosquil Edicionsの絵本セット
−エクステンション(大阪)でのスペイン語通訳養成コース、もしくはスペイン語会話コース(グループレッスン)受講チケット3ヶ月分
−Triangle Postals出版 エクステンション翻訳のガウディをテーマにした本(スペイン語版および日本語版 各1冊)

 

第1位 藤坂 容子さん(広島県広島市) 第1位 Sra. Yoko FUJISAKA (Hiroshima)
第2位 植松 友佳理さん(東京都調布市) 第2位 Sra. Yukari UEMATSU(Tokyo)
第3位 田中 智美さん(兵庫県神戸市) 第3位 Sra. Tomomi TANAKA (Kobe)
特別賞 丹羽 悦子さん(静岡県浜松市)     Sra. Etsuko NIWA (Shizuoka)

今回の特別賞は、日本語での情景描写の美しさに対して贈られます。
受賞対象者は以上です。受賞者には賞状および副賞を授与させていただきます。
その他、奨励にあたる応募者2名に奨励賞として賞状を授与させていただきます。

奨励賞:絵本タイトルの工夫
村田 優子さん(大阪府和泉市)Sra. Yuko MURATA (Osaka)
今回の応募者のなかで唯一、絵本タイトルを「しろいはなをさがして」とオリジナル絵本のタイトルの直訳ではなく工夫されていました。翻訳をする際、必ずしもタイトルを変える必要はありませんが、このように絵本の内容からタイトルを考えてみるのもひとつのやり方でしょう。

奨励賞:カタルーニャ語からの翻訳
川島 紀子さん(大阪府大阪市)Sra. Noriko KAWASHIMA (Osaka)
前回および今回の応募者のなかで唯一、カタルーニャ語版絵本のみからの翻訳にチャレンジされました。今後、更にカタルーニャ語からの翻訳にチャレンジする方が増えていくことを期待しています。


二次審査に進んだ方のお名前は以下のとおりです(50音順)。
赤松 知子さん
植松 友佳理さん
上田 愛子さん
小山 今日子さん
川合 由佳子さん
川嶋 慶子さん
木村 美奈子さん
早乙女 緑さん
田中 智美さん
徳山 悦子さん
長濱 香織さん
丹羽 悦子さん
藤坂 容子さん
保崎 典子さん
村田 優子さん
森下 嘉子さん
八木 環さん
矢野 真弓さん
山谷 映子さん

審査についてのコメント

第2回を迎える今回の絵本翻訳コンテストも前回に引続き関西カタルーニャセンターがある大阪をはじめ、日本全国から全38の応募作品が届きました。応募期間が前回より短かったことも影響し、前回よりは応募総数は減少しましたが、皆様から力作が届きスタッフ一同大変嬉しく思っています。今年も力作揃いで受賞作品を選ぶに際して審査員は非常に頭を悩ませました。応募いただいた皆様、本当にありがとうございました。

今回の絵本は文章自体は比較的平易でしたが、内容は深く、オリジナルが持つ詩的美しさをいかにうまく日本語に置き換えるかがひとつの鍵になったようです。キーワードとなっている、cIrculoが、単なる「丸い輪」ではなく、自然のサイクルというものを表していて、それを子ギツネが悟るまでの過程を描いていることを理解して翻訳するところに難しさがありました。特に最後の1ページは難しかったようです。




「ゆきのはなとこぎつね」 
訳:藤坂 容子さん

サクラや、ナラや、カシのきのしげるもりのなかに、いっぴきのこぎつねがすんでいました。ときがめぐり、もりはさまざまにいろをかえます。
このもりのなかに、いっぽんのきがありました。ふゆになるとはっぱがのこらずおちて、やがてまっしろなはなにおおわれます。

はなのにおいが、まいあさこぎつねをねむりからさまします。こぎつねは、ぴょんぴょんっときのところにはしっていって、ねもとにちょこんとこしかけます。そして、あおいおそらをながめるのです。
やがて、きとこぎつねは、すっかりなかよしになりました。

よるには、おそらにまあるいわがうかびます。わはきのまわりをとりかこみ、きらきらひかるおほしさまが、そのわのなかで、おおきく、うつくしく、かずかぎりなく、かがやきます。

あるあさ、こぎつねは、ブンブンいうおおきなおとでめをさましました。めをあけてみてみると、とてつもなくたくさんのハチが、しろいはなをでたりはいったり。
こぎつねはもうびっくりぎょうてん。でも、きがいいました。「こわがらなくてもだいじょうぶ。ちょっとくすぐったいだけさ。ハチがはなのみつをあつめにくると、ぼくはとってもうれしいんだよ」

ふうん?こぎつねはとことこハチのあとについていきます。すにはなさきをよせてみると、そこには、べとべとの、あまーいみつがありました。それからというもの、あさ、ブンブンというおとでめをさますと、こぎつねはすっかりうれしくなりました。

やがて、だんだんあたたかくなり、あつさによわいしろいはなは、しおれてえだからおちはじめました。
あるひ、こぎつねは、いつもきをとりかこんでいるまほうのわのなかに、しろいはながいちりんおちているのをみつけました。それからあさがくるたび、じめんのはながふえていきました。

こぎつねはかなしくてしかたありません。
それでも、よるになると、そらにはまたあたらしいおほしさまがあらわれました。まほうのわのなかに。きのうえに。こぎつねのうえに…。

もう、きには、いちりんのはなものこっていません。ハチもやってきません。ただ、いしのようにかたい、ちいさなみが、びっしりとえだをおおっているだけです。
よるには、まほうのわのなかに、なんびゃくまんものおほしさまがかがやき、きのみはじゅくしてじめんにおちます。まほうのわのなかに、じめんがあらわれ、あめがふって、おほしさまがかがやきます。

こぎつねは、たびにでることにしました。なかよしのきのためにあたらしいはなをさがしにゆくのです。こぎつねときはおわかれをしました。きは、
「いいかい、けっしてかなしんだりしちゃいけないよ。かなしんだりしたら、まほうがきえてしまう。ぼくたちのおほしさまのわは、いつもきみといっしょだよ。しずかなよるにはいつでもあえるからね」

こぎつねはしゅっぱつしました。ちょっとどきどきしています。だって、いままでいちどだってもりからでたことなんてないのですから。
やがて、こぎつねは、いろとりどりのはなのさくばしょにたどりつきました。

そのさきにはもりがありました。かぞえきれないくらいのき。そして、きのみがたくさんなっていました。
こぎつねは、おなかいっぱいきのみをたべて、それから、きれいないろのはっぱにくるまってねむりました。

あるあさ、ゆきがふりました。めをさますと、なんびゃくまんもの「しろいはな」があたりをおおっていました。
こぎつねは「しろいはな」をしっぽにたんとのせて、いえじにつきました。

でも、おひさまがのぼると、ゆきはとけはじめました。じめんがまたかおをだします。こぎつねはすっかりかなしくなってしまいました。なかよしのきにもっていくはなが、ひとつのこらずきえてしまったのです。

そのとき、とおくに、ぼうっとしろいものがみえました。
あ、まだゆきがのこっている。こぎつねはぴょんぴょん、ぴょんぴょんはしっていきます。
そこはしっているばしょでした。
そこは、あのもりでした。なかよしのきが、ゆきのようなしろいはなにおおわれてたっていました。
まほうのわのなかのおほしさまみたいな、たくさんのはなをみにまとって。

まほうのわは、どこまでもはてしなくひろがります。どこまでも、はてしなく、とおいおそらのかなたまで。
そして、えいえんのときのわが、まためぐりはじめます。




Sant Jordi 2007 『世界本の日』記念絵本翻訳コンテスト授賞式


Sant Jordi 2007 『世界本の日』記念絵本翻訳コンテストの授賞式が、2007年7月29日(日)「高校生スペイン語スピーチコンテスト」会場にて開催されました。

授賞式には、
第3位の田中智美さん、特別賞の丹羽悦子さん、奨励賞の川島紀子さんがご出席期ださいました。

また、
今回の審査委員長の中岡省司先生から、各賞受賞者の皆様へのコメント、および総評をいただきました。




審査委員長の中岡省司先生(関西外国語大学スペイン学科教授)から、今回のコンテストについての総評をいただきました。
各受賞者の皆さんには、表彰状と副賞が贈られました。

第3位 田中智美さん(兵庫県神戸市)
特別賞 丹羽悦子さん(静岡県浜松市)
奨励賞 川島紀子さん(大阪府大阪市)


関西カタルーニャセンターは、スペイン・カタルーニャ州政府議会により承認された公式センターです。

関西カタルーニャセンター
〒541-0059 大阪市中央区博労町3-1-8 チサンマンション心斎橋2番館403
Tel: 06-4704-4690  Fax: 06-6251-2063
(電話受付時間/月〜金曜日:13:00〜21:00/土曜日:13:00〜18:00)
E-mail: exosaka@osb.att.ne.jp